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せいぞうとぬま
清造と沼
宮島 資夫
「赤い鳥」赤い鳥社、1928(昭和3)年1月号
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,864 字 · 12 页
それでおれが驚いて、あわててここへかつぎこんで、介抱してやったんだ。どうした、どこかからだでも悪いのか。」
おやじさんは、顔のこわい割合にやさしい声を出して聞きました。
「ううむ。」
清造はやっと顔を横にふりました。
「ははあ、それじゃあ腹がへったんだな、え、おい、そうだろう。」
おやじさんはまた聞きなおしました。清造はしばらくだまって下をむいていましたが、
「え、おい、そうだろう。」
とまたいわれたとき、
「うん。」と思わずうなずきました。
「かわいそうじゃないか、こんなちびが腹がへって倒れるなんて。」と、おやじさんは、おかみさんの方をむきながら、
「なにか食わしてやりな。なあに、悪いことをするやつなら、ひもじくなって倒れなんかしやぁしねえ。早くなにか食わせてやれ。」
といいました。
まもなく、あたたかいおつけとご飯をおかみさんがもって来てくれました。清造は、なん日目かというより、もういく月目かで、そんなにあたたかい湯気の立つ、おつけのおわんを手にしたのでした。ご飯がすむと清造は店に来て、糸目をつけているおやじさんの前にすわっていました。
おやじさんは、下をむいて手を動かしながら、清造にいろいろなことを聞きました。