轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りょうしのむすめ

漁師の娘

徳冨 蘆花

「家庭雑誌」1897(明治30)年1月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,592 字 · 23 页

青空文庫

秋も次第に老けて、猟の好時節となった。或日お光は背戸に大根を乾して居ると「お光ちょう、お光ちょう」と母の声がするので、庭の方に出て見ると、洋服出立で鉄砲をもった若い男三四人、それに兎だの鴨だの一ぱい入れた網嚢を舁いだ男が一人――此れは島の者だ――どやどや騒いで立って居る。「お光ちょう、爺が居ねえからお客さま方を牛堀までお伴して来う」と母が云った。此れは東京あたりの猟組で、後の山を越えて来たので、渡を頼むのだと思われる。手ばしこく船を用意して、薄べり敷いて客をのせ、すぐ漕ぎ出す。客の一人が旅は遠慮もなく、一人のコートの裾を牽き、お光を顋で指し「中々美人だねえ、此処らにゃ惜しいもんじゃないか」と云う。網を担いで居た男が、ほほと笑って、「お光坊、旦那方が賞めらっしゃるだに、一つ歌って御聞かせ申さねえかい、のうお光坊」。客の一人「歌が上手なのかね」。「上手って、此処ら一の名人でさあ。浮島名物と云うんでさあ」。「ほう、そいつは妙だ。おい、みいちゃん、何ぞ歌って聞かせぬかい」。「其様だ其様だ、此いつは土産だ。一つ聞きたいな」などと囂しく言うのを聞かぬ風で一同に顔見られるのを五月蠅そうにお光は顔をそむけて漕ぎながら、時々見るともなく眼を側てて見ると、たちまち眼についた者がある。