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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
といって、房枝はそばでけげんな顔をしているスミ枝を指した。
「おお、こちらのうつくしい娘さんですか。うつくしい女の人、たいへんよろしいんです。房枝さんと一しょに働いていただきましょう。その仕事、たいへんいい仕事です。くわしいこと、あとで話します。自動車が待っていますから早くのってください」
房枝とスミ枝が、顔を見合わせて、どうしようかと考えているうちに、ニーナは、自分の思ったことを、どんどんやった。道ばたに待っている自動車のところへ来ると、ワイコフに扉をひらかせ、二人をおしこむようにして、自動車にのせてしまった。
「あら、ちょっと房枝さん。すてきな自動車ね」
スミ枝は、もう自動車に気をうばわれてしまっている。
房枝は、走りだした自動車の窓外に、目を走らせた。電柱のそばに帆村が立って、じっと房枝の方を見おくっていた。
「ほほほ、房枝さんをおこらせた探偵さん、くいつきそうな顔していますね」
ニーナは、どこで知ったか、そういって、愉快げに笑った。ワイコフの操縦する自動車は、町の辻をまがって、国道の方へすべりこんでいった。
自動車が見えなくなってしまうと、帆村探偵は、たばこをとりだして火をつけた。