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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
一緒にお出になることに大体きまりました。岩本のおばさんがお留守番にさえ来て下されば。引越しがしてなくてよかったこと。この前(昭和九年のとき)は信濃町で、私はいず、お風呂も満足にお入りにならなかったのですから、今度は初めて用事といってもいくらかのびのびとしてともかく顕治さんの家へおいでになるのだから、ようございます。さっき野原の小母さんが迎えにいらして、私はこの手紙をかいてから六時のバスで野原へ参り十九日の午後まで泊って来ますが、その折、小母さんが一日がえにきょう会うたら次の日は百合子はんという風にせて、とおっしゃったら、お母さんが眼玉をクルリとお動かしになって、毎日会うてよいのどすやろと仰云った。そこで、私も思わず目玉をクルリとやりつつ、ええお会いになれます、とお答えした珍景がありました。どうも、あなたもこう人気があってはお忙しゅうございます。
御法事をすましてから行こう(くり上げて)というお話もありましたが、私はどうしても御法事はちゃんと六月になさる方をおすすめして、とにかく出ていらして見て、あなたともよくお話しになってから、又六月に私が行くなりどうなりおきめになればよい、ということにきめました。