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げんだいのふじんにつぐ

現代の婦人に告ぐ

大隈 重信

「大觀 第一卷第四號」大觀社、1918(大正7)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,854 字 · 25 页

青空文庫

それ故小供の賢不肖は、一に母に因るというも可なるべく、母たる婦人の品性が低劣であれば、従ってその小供も悪く、将来のその民族は次第に堕落し行くことは必然の道理である。さればこそ支那人は賢婦人の下に賢子有りと称し、而して孟子の母の如きが常に絶好例話として引かれる。いわゆる孟母の三遷と称し、孟子の教育の必要のためばかりに三たびその居を移したという話になっている。誠にその通りで、およそ模倣性の強烈なること小児に及ぶものはない。而して三つ子の魂百までとも称し、三つ子の時に打ち込んだる魂は、いわゆる習慣は第二の天性であって、牢乎として抜くべからざるものであるから、教育の必要は最もこの際に在る。而して、小供に対する婦人の感化力の遥かに男子よりも大なる以上は、家庭教育に於て婦人はまた実に一大責任を有するものである。換言すれば婦人は、実に我が将来の国民を陶鋳し出すところの一大技師なのである。然らば婦人の任務の重且つ大なるは言わずとも知らるべく、男子としてこれを軽蔑することはならぬ。要するにこれを以て彼に易うべからず、彼を以てこれに易うべからざる截然たる区別が、男女両性の天職の間に存在するので、而してこれは、なんらその人格と関係するところ無いものである。