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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
それというのも昨日まではとんと夢にも思い至らなかったことで、大学生という新動物の発見以来のことなのである。まったく謎の動物であった。
彼らは神様の使者の前でも、心おきなく勝手放題なことを喋りまくっていた。神様をなめているのかと思うと、そうではない。みんな計算の上なのである。一足神前をさがると、彼らはむしろピリリと緊張したようである。神様の前では、オヤジだの常務だのと、まるで彼一人嬲られ者にされているような有様だった。
そのくせ、神前をさがると、彼らの態度は一変して、お父さん、常務と、宿の玄関で靴のヒモをといてくれ、部屋へはいると服をぬがせ靴下までぬがせてくれる。常務に対する敬意至らざるなく、温泉につかれば、半平まで、お父さん、背中流しましょうか、などと云う。みじんも彼らの使命を裏切るような隙を見せることがない。そして彼らは、正宗菊松が蹴倒され、踏んづけられて、神様に魂をぬかれた珍劇などには、見たこともないように、一言もふれなかった。たゞ、あたりに人影のなかったとき、半平がふとすり寄ってギュッと菊松の手を握って、
「今日の成功は、キミが蹴られたオカゲだよ。