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りかきょういくのこんてい

理科教育の根底

丘 浅次郎

「東亜の光 13巻11号」1918(大正7)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,018 字 · 12 页

青空文庫

四

いかに実物を生徒のめいめいに持たせても、かく束縛せられてはいずれの点も得心の行くまで考えてみることはできぬ。これに反して、もしも生徒の数が少なければ、同じ机に対して相並んで腰を掛けている生徒でも、かならずしも同一の事をなすの必要はなく、めいめい、勝手な方から始めて、勝手な方へ進んで行っても差支えはない。すなわち脳の働きが全く自発的であって、疑わしいと心付いたことは遠慮なく疑い、その疑いを解くためにはまた自発的に脳を働かせて、その方法を工夫し、自己の努力によって、その問題を解決し得たときにはすこぶる愉快に感ずる。要するに理科の教授はもしも教師が教え、生徒が覚えるということだけをもって満足するつもりならば、今日のとおりでもよろしいが、将来独力をもって理科の進歩するようにと望むならば、思い切って、一組の生徒数の数を減じ、生徒をして各自勝手に自発的に脳を働かしめ得るような仕組に改めてかかることが必要であろう。

四

なにごとでも進歩改良をはかるには、まず進歩の妨げとなるものを除くことが肝要である。理科の進歩を望むならば、理科の進歩の妨げとなるものをまず除かねばならぬ。