轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
「雄弁」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 页
それには返事はしなかったが、弦四郎は次のように云って笑った。
「丹生川平の郷民達は、貴殿を歓迎なさるまいよ」
「何故な?」と、茅野雄はけげんそうに云った。
「必ずや歓迎をいたしましょう」
「駄目々々」といよいよ嘲笑ったが、曠野の上に仆れている、丹生川平の郷民達の、死骸を弦四郎は指差した。
「貴殿、この者達を殺したではないか」
「悪漢ゆえに殺してござる」
「貴殿はここにいる令嬢姿の乙女を、遮二無二助けようとなされたではないか」
「不幸の誘拐されの乙女だからよ」
「何にもご存知ないからじゃよ」
ここで弦四郎は皮肉に笑った。
「で拙者、お知らせいたそう。……貴殿が討って取られたところの、仆れている五人の若者達こそ、丹生川平の郷民達なのでござるよ!」
「何を馬鹿な! そのようなことが!」
「貴殿が助けようとなされた乙女は、丹生川平の郷民達にとっては、讐敵にあたる白河戸郷の、郷の長の娘の小枝という乙女で」
「…………」
「そこでもう一言云うことがござる。聞いたら胸が潰れるでござろう。――拙者は目下丹生川平におります。とこう云うのがその一つでござる! 丹生川平の郷の長の、宮川覚明殿に依頼されて小枝を奪いに来たものでござる。