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せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
「雄弁」1928(昭和3)年9月~1929(昭和4)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 91,598 字 · 182 页
頸足の白さと長さとは雌蕊を思わせるものがある。胴から腰への蜒り具合と来ては、ねばっこくてなだらかでS字形をしていて、爬虫類などの蜒り具合を、ともすると想わせるものがあった、で、どのような真面目な男でも、その腰の形を見せつけられたならば、溜息を吐かざるを得なくなるだろう。
はたしてキチンと膝を揃えて、敷き物も敷かずにかしこまっていた、手代の京助は悩ましそうに、こっそりと一つ溜息をしたが、周章て視線を腰から外らせた。と、京助は一層に悩ましい、溜息を吐かなければならないことになった。と云うのは立ち上った女房のお菊が、隣の部屋へ行こうとして、サラサラと足を運んだ時に、緋縮緬を纏った滑石のような脛が、裾からこぼれて見えたからである。
「ホー」とそこで溜息をしたが、京助は思わず手を上げた。苦しいほどにも蠱惑的の物を、うっかりと見た自分自身の眼を、急いで抑えようとしたのであった。が、中途で心が変わったのか、上げた手で忙しくぼんのくぼを撫でた。汗が流れていたからである。
しかし京助は幸福なのであった。
(何てお美しい奥様なのだろう。私は何よりも美しいものが好きだ。お本店へ務めて荷作りをしたり、物を持ってお顧客様へお使いをしたり、番頭さんに睨まれたり、丁稚に綽名を付けられたり、お三どんに意地悪くあたられることは、どうにも私の