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でんえんじょうちょうあり

田園情調あり

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1952(昭和27)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,319 字 · 19 页

青空文庫

「何だね?」

「あんた達と僕達は組が違う。あんた達はインテリで僕達は百姓だから仕方がないけれど」

「インテリも何もないよ」

と伊達君は強く否定して、相手の顔をジッと見た。

「それがあるんです。青年会連中とあんた達インテリ組が駈け離れてしまうと、村の為めに面白くないと思うんです」

「駈け離れているか知ら?」

「溝があるようですよ。やっぱり昔のように」

「すると昔のように、僕達が一段高く構えているように見えるのかね?」

「正直のところ、そう見ているものもあるんです。青年会だから青い眼鏡をかけて。ハッハヽヽ」

小森の多作君は如才ない。冗談のように言うのだった。

「それは困るな。僕達は決してそんな気はないんだけれど」

「あんたや水町さんは訳が分っていますけれど、我々文化人はなんて言って、自分達ばかり豪いつもりでいる人もあるんですから」

「これはいゝことを聞いたよ。かりにもそんな傾向があっては済まない。僕も気をつける」

「あんたは大丈夫です」

「いや、弥が上にもさ」

伊達君はこだわらない。言われて見ると、そういう仲間なきにしもあらずだと思って、素直に反省したのだった。

「ついては折り入ってお願いがあるんです。