轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きけいのてんにょ

畸形の天女

江戸川 乱歩

「宝石 第八巻第十一号」1953(昭和28)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,893 字 · 35 页

青空文庫

帽子は冠っていなかった。ナイフも忘れないで、死体といっしょに埋めた。それから、根太板をはめ、畳を敷いて、暗闇に慣れた眼で、その辺を充分見廻って、何も残っていないことを確かめた。あとは鍬とスコップの土をおとしてもとの場所へ戻しておくだけだった。ふたりとも、すっかり疲れきっていたが、最後の力をふりしぼって、それをやってのけた。そして誰にも見とがめられないですんだ。

空き家に帰ると、もう一度、家の内外を見て廻った。松永は這うようにして、土の上の足跡をしらべたが、天気つづきなので、足跡らしいものも見当たらなかった。

ふたりはもう一度、空き家の畳の上に腰をおろした。もう一つだけ面倒な仕事が残っているのだ。それは、松永昌吉がこのまま行方をくらまして、永久にふみ子に逢えなくなるのだと、彼女に言いわたすことだった。彼女がそれを承知しないで、いっしょに連れて逃げてくれなどとだだをこねたら、どうすればいいのだ。彼の方でも決して別かれたくはないのだ。うっかりすると引き入れられまいものでもない。これが最大の難関だった。

「ねえ、ふみちゃん、きみは、今夜のことを、誰にも言わないだろうね。