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しろいくも
白い雲
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,755 字 · 16 页
学校の帰りに、往来の上で、義ちゃんや武ちゃんは、敏ちゃんをはさんで、敏ちゃんの大きな磁石に自分たちの小さな磁石を押しつけて、電力を分けてもらっていたのです。
「いいんだねえ、敏ちゃん、すこしばかり分けてもらっても、敏ちゃんのほうは、ずっと強いんだものね。」と、武ちゃんが、気がねをしながらいいました。
「僕も、ラジオ屋のおじさんにお願いして強くしてもらおうかな。」と、義ちゃんがいいました。
「いいよ、僕のは、赤いところがはげているのだから、どうせ使わなくても、ひとりでに電気がなくなるのだもの。」と、敏ちゃんは、今度、お母さんに、赤いところのはっきりとした、新しい磁石を買ってもらうことを頭に描いていました。そこへ、同じ組の西山がきかかりました。
「君、それよりか、鉱石を取りにいかない? そのほうが、よほどおもしろいぜ。磁鉄鉱も、黄銅鉱も、金もあるのだよ。」と、郊外の方から通学する西山が、いいました。
「ほんとうかい、どこに?」と、義ちゃんと、敏ちゃんは、磁石のことを忘れたように、目を輝かしました。
「いま、河の工事をして、割った石塊がたくさんあるのだ。さがせば、いろんな石が見つかるよ。