轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
「中央公論」1931(昭和6)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页
たが、二十四日のさるの刻に天守にけぶりのあがるのを見られて、おふたかたと御いっしょに自害しておはてなされました。まあわたくしのおぼえておりますのはこれくらいでござりますが、このかた/″\はそのころもっぱらもてはやしたことでござりますから、さだめし旦那さまも御存じでいらっしゃいましょう。いずれも/\、かんばしい名をのちの世にまでのこされました奇特なひとたちでござります。
あゝ、わたくしでござりますか。わたくしなどはおりっぱなかた/″\の真似は出来ませぬけれども、せんねんおだにのろうじょうのおりに捨てるいのちを生きのびておりましたので、いまさらこのよにおもいのこすこともないとぞんじておしろにとゞまっておりましたものゝ、しょうじきを申せば、まだおくがたがどうあそばすともわかりませぬので、そのごせんどをみとゞけてからともかくもなろうとおもっておりました。こう申しますとひきょうのようでござりますが、おくがたはこちらへ御えんづきなされましてからまるいちねんにもなりませぬ。おだにのときは六ねんのおんちぎりでござりましたのに、それでもお子たちに引かされてながまさ公とおしきわかれをあそばしたのでござりますから、このたびとてもそうならぬとは限りませぬ。