轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もうもくものがたり

盲目物語

谷崎 潤一郎

「中央公論」1931(昭和6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页

青空文庫

肉づきも、みんなおしろのやぐらといっしょにけぶりになってしまうのだろうか。ひとのいのちをうばうことがせんごくの世のならいなればとて、こんないたいけなおうつくしいかたをころすという法があるものだろうか。のぶなが公もげんざい血をわけたいもうと御を、たすけておあげなさろうというおぼしめしはないものか。まあわたくしのようなものが、そんなしんぱいをしましたからとておよばぬことでござりますけれども、えんあっておそばにおつかえ申し、なんのしあわせかめしいと生れましたばかりにこのようなおかたのおんみに手をふれ、あさゆうおこしをもませていたゞいておりまして、たゞそれのみをいきがいのある仕事とぞんじておりましたのに、もうその御奉公もいつまでだろうかとかんがえましたら、このさきなんのたのしみもなくなりまして、にわかに胸がくるしゅうなってまいりました。するとおくがたが又ほっとためいきをあそばして、

「弥市」

と、およびになるのです。わたくし、おしろの中では、「坊主、坊主」といわれておりましたが、「たゞ坊主ではいけぬ」と仰っしゃって、おくがたから「弥市」という名をいたゞいておったのでござります。