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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页

青空文庫

「ねえ、お母さん、鳴くおたまってありますか?」

いきなり光一は、質問を発しました。ふいに、こんな質問をされたので、お母さんは、

「さあ、鳴くおたまじゃくしなんて、まだ、きいたことがありませんね。」と、つい話につりこまれて、なんでこんなことをいったのか知らずに、おっしゃいました。

「それが、お母さんあるんですよ。日が暮れると、ボーオ、ボーオって、鳴くというのです。」

光一は、自分も驚いたといわぬばかりに、目をまるくして、お母さんの顔を見ました。

「なんか、きっとほかのものでしょう、かじかではないんですか。」

「色が真っ黒で、頭が大きくて、尾がちょっぴりついているんです。それは、かわいいのですよ。」光一は、いいました。

「まあ、気味の悪いこと、おたまじゃくしのお化けみたいなのね。」と、お母さんは、かわいいどころか、ぞっとするように、おっしゃいました。

「一ぴき三銭に負けておくって、ねえ、買ってよ。」

光一は、お母さんが珍しいといってくださらなかったので、おおいに当てがはずれたのです。

「どこへ、そんなものを売りにきたんですか、家へ持ってこられると困りますね。」

「ちっともこわくなんかないんだよ。