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まひるのおばけ
真昼のお化け
小川 未明
「お話の木」1937(昭和12)年8月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页
ただ、鳴くおたまなんだもの。」
彼は、無理にも、お母さんに承知していただいて、お金をもらわなければなりませんでした。それで、家の内をお母さんの後について歩きました。そして、やっと三びき買うほどのお金をいただいたとき、彼は、どんなにうれしかったかしれない。だが、運が悪く雨が降り出してきました。
「困ったなあ、おじいさんは、どっかへいってしまうだろうな。」と、光一は、気をもんでいたのであります。
「この雨の中を、いつまで原っぱにいられるものですか。」と、お母さんは、おかしそうにおっしゃいましたが、あまり光一が落胆するので、後でかわいそうになって、
「じきに、この雨は上がりますよ。」と、やさしく、いたわるように、いわれました。しかし、お昼のご飯を食べてしまっても、まだ雨はやみそうもありませんでした。もうおじいさんは、とっくに、どこへかいってしまったものとあきらめなければならなかったのです。
晩方になって、やっと雨が晴れて、空が明るくなりました。ちょうど、その時分でした。
「おたまがきた!」と叫んで、どこかの子が、家の前を走ってゆきました。光一は、はっとして、耳を澄ましました。