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いそのかみじんぐうのじんぽうななつさやのたち
石上神宮の神宝七枝刀
喜田 貞吉
「民族と歴史 第一巻第一号」1919(大正8)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,555 字 · 8 页
しかしながら、その銘文なる年号を「泰始」と読まれたについては、なお研究を要するものがあろうと思う。星野先生も泰始と泰初と両号を抽出せられ、
三国魏文帝の世に泰初あり、晋武帝の代に泰始あり。然れども「イ」(星野先生の見られたる銘文第二字目は、写し不完全にして、左旁の「イ」のみ見るを得たるなり)は「初」に近くして、「始」に遠し。疑らくは是「初」の字の残画ならん。
と、言われたが、高橋君らの丹誠によって、さらに精しくこれを写し取られたものを見るに、いっそうこの感を深くして、とうてい「始」の字とは見ることは出来ない。そこで年表によって「泰初」の年号を調査するに、前漢・前秦・南凉・西秦に各「太初」がある。「太」は「泰」に通ずるので、『晋書』には武帝泰始元年条に改元のことを記して、「改二景初暦一為二太始暦」ともある。よってこれらの太初を『三正綜覧』に当ってみたところが、左の結果を得た。
前漢太初四年六月十一日癸丑 前秦太初四年六月十一日甲午
南凉同 庚寅 西秦同 壬子
いずれも銘文の干支に合わぬ。さらにこれを「泰初」以外に求めると、「泰和」