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いそのかみじんぐうのじんぽうななつさやのたち

石上神宮の神宝七枝刀

喜田 貞吉

「民族と歴史 第一巻第一号」1919(大正8)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,555 字 · 8 页

青空文庫

の文字がやや似ている。しかし魏・後趙・成漢・東晋・北魏等にある太和、これまた一も干支の符合するのがない。『三正綜覧』にも、一日や二日の間違いがないとも言われぬが、これらの齟齬はいずれもそんな僅少のことではないから、どうしても高橋君推定の泰始四年以外に、この干支に当て嵌めてみるべきものがないと極った。

しからばこれを無理にも「泰始」と読むべきか。これについてはわが輩に説がある。『日本紀』神功皇后六十六年の条に、

(六十六年。是年晋武帝泰初二年。晋起居注云。武帝泰初二年十月、倭女王遣二重訳一貢献。)

とある。この三十四字は後人の加筆として、『集解』『標注』『通釈』等には、いずれも削除してあるが、よしや加筆であるとしても、古く『晋起居注』がわが邦に伝わって、それに泰初の年号があったことは、一とまずこれを認めねばならぬ。しかしてその年は、年表を按ずるに、まさに『晋書』の泰始二年に相当する。しからば泰始はもと泰初とあったので、その四年六月十一日丙午に作った七枝刀には、まさに当時の文字通り、「泰初」と書いたものだと解せねばならぬ。

果してしからば何故に泰初を、泰始に改めたか。