轻松读懂日语经典作品
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がらすどのうち
硝子戸の中
夏目漱石把自己关在玻璃门后养病,外界只剩单调风景,却总有不速之客闯进来,讲些意想不到的故事。跟着他一起观察这些闲散又生动的瞬间吧。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,702 字 · 105 页
立派な水引がかかっているので、それを除して中を改めると、五円札が二枚入っていた。私はその金を平生から気の毒に思っていた、或懇意な芸術家に贈ろうかしらと思って、暗に彼の来るのを待ち受けていた。ところがその芸術家がまだ見えない先に、何か寄附の必要ができてきたりして、つい二枚とも消費してしまった。
一口でいうと、この金は私にとってけっして無用なものではなかったのである。世間の通り相場で、立派に私のために消費されたというよりほかに仕方がないのである。けれどもそれを他にやろうとまで思った私の主観から見れば、そんなにありがたみの附着していない金には相違なかったのである。打ち明けた私の心持をいうと、こうした御礼を受けるより受けない時の方がよほど颯爽していた。
畔柳芥舟君が樗牛会の講演の事で見えた時、私は話のついでとして一通りその理由を述べた。
「この場合私は労力を売りに行ったのではない。好意ずくで依頼に応じたのだから、向うでも好意だけで私に酬いたらよかろうと思う。もし報酬問題とする気なら、最初から御礼はいくらするが、来てくれるかどうかと相談すべきはずでしょう」
その時K君は納得できないといったような顔をした。