轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
がらすどのうち
硝子戸の中
夏目漱石把自己关在玻璃门后养病,外界只剩单调风景,却总有不速之客闯进来,讲些意想不到的故事。跟着他一起观察这些闲散又生动的瞬间吧。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,702 字 · 105 页
その時彼はまだ乳離れのしたばかりの小供であった。Hさんの御弟子は彼を風呂敷に包んで電車に載せて宅まで連れて来てくれた。私はその夜彼を裏の物置の隅に寝かした。寒くないように藁を敷いて、できるだけ居心地の好い寝床を拵えてやったあと、私は物置の戸を締めた。すると彼は宵の口から泣き出した。夜中には物置の戸を爪で掻き破って外へ出ようとした。彼は暗い所にたった独り寝るのが淋しかったのだろう、翌る朝までまんじりともしない様子であった。
この不安は次の晩もつづいた。その次の晩もつづいた。私は一週間余りかかって、彼が与えられた藁の上にようやく安らかに眠るようになるまで、彼の事が夜になると必ず気にかかった。
私の小供は彼を珍らしがって、間がな隙がな玩弄物にした。けれども名がないのでついに彼を呼ぶ事ができなかった。ところが生きたものを相手にする彼らには、是非とも先方の名を呼んで遊ぶ必要があった。それで彼らは私に向って犬に名を命けてくれとせがみ出した。私はとうとうヘクトーという偉い名を、この小供達の朋友に与えた。
それはイリアッドに出てくるトロイ一の勇将の名前であった。