轻松读懂日语经典作品
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がらすどのうち
硝子戸の中
夏目漱石把自己关在玻璃门后养病,外界只剩单调风景,却总有不速之客闯进来,讲些意想不到的故事。跟着他一起观察这些闲散又生动的瞬间吧。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 52,702 字 · 105 页
帳場格子のうちにいる連中は、時間が余って使い切れない有福な人達なのだから、みんな相応な服装をして、時々呑気そうに袂から毛抜などを出して根気よく鼻毛を抜いていた。そんな長閑な日には、庭の梅の樹に鶯が来て啼くような気持もした。
中入になると、菓子を箱入のまま茶を売る男が客の間へ配って歩くのがこの席の習慣になっていた。箱は浅い長方形のもので、まず誰でも欲しいと思う人の手の届く所に一つと云った風に都合よく置かれるのである。菓子の数は一箱に十ぐらいの割だったかと思うが、それを食べたいだけ食べて、後からその代価を箱の中に入れるのが無言の規約になっていた。私はその頃この習慣を珍らしいもののように興がって眺めていたが、今となって見ると、こうした鷹揚で呑気な気分は、どこの人寄場へ行っても、もう味わう事ができまいと思うと、それがまた何となく懐しい。
私はそんなおっとりと物寂びた空気の中で、古めかしい講釈というものをいろいろの人から聴いたのである。その中には、すととこ、のんのん、ずいずい、などという妙な言葉を使う男もいた。これは田辺南竜と云って、もとはどこかの下足番であったとかいう話である。