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しんけいすいじゃくてきやきゅうびがくろん
神経衰弱的野球美学論
「文学界 第一巻第四号」1949(昭和24)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,681 字 · 8 页
尤も、日本は風速がはげしいために記録が公認されないことが多いのは衆知のことだが、後楽園へ通ってみると、なるほど日本は風の国、砂煙の国という感がする。テニス式にアンツーカ野球場というのは滑りこみが出来なくてダメであろうが、だいたいに於て夜になると風がなぐような形勢であるから、いずれは夜間野球ということを主として考えるのがよろしいように思った。僕個人に関する限り、あの砂煙のあるうちは、もう後楽園へ行きたいとは思わない。
日本野球の各チームは、各自白いユニホームと黒味がかったユニホームを二つ持ち、一方が黒を着る時は、一方が白のユニホームという仕掛になっているのだそうだが、黒味がかったユニホームは色々の装飾物があって、いかにも職業野球らしい雰囲気を現してくれるが、白の方がよろしくない。白は白なりにスマートな装飾をつけて、先ず外見からプロらしくダンディぶることが大切であろう。目下のところ、技術がまだ大いに至らぬのであるから、白いユニホームで現れると、いかにも場末のアンチャン野球という泥くさゝが鼻について、いけない。
その次に、この辺は神経衰弱の致すところかも知れないけれども、各選手がグローブを一塁又は三塁のコーチャーボックスのあたりへ投げすてゝベンチへ戻ってくる。