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かていしゅうかんのおしえをろんず
福沢諭吉家族論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉家族論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:家庭習慣の教えを論ず、日本男子論、教育の事。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 页
夫婦親愛恭敬の徳は、天下万世百徳の大本にして更に争うべからざるの次第は、前既にその大意を記して、読者においても必ず異議はなかるべし。そもそも我輩がここに敬の字を用いたるは偶然にあらず。男女肉体を以て相接するものなれば、仮令えいかなる夫婦にても一時の親愛なきを得ず。動物たる人類の情において然りといえども、人類をして他の動物の上に位して万物の霊たらしむる所以のものは、この親愛に兼ねて恭敬の誠あるに由るのみ。これを通俗にいえば、夫婦の間、相互いに隔てなくして可愛がるとまでにては未だ禽獣と区別するに足らず。一歩を進め、夫婦互いに丁寧にし大事にするというて、始めて人の人たる所を見るに足るべし。即ち敬の意なり。
然らば即ち敬愛は夫婦の徳にして、この徳義を修めてこれを今日の実際に施すの法如何と尋ぬるに、夫婦利害を共にし苦楽喜憂を共にするは勿論、あるいは一方の心身に苦痛の落ち来ることもあれば、人力の届く限りはその苦痛を分担するの工風を運らさざるべからず。いわんや己れの欲せざる所を他の一方に施すにおいてをや。ゆめゆめあるまじき事にして、徹頭徹尾、恕の一義を忘れず、形体こそ二個に分かれたれども、その実は一身同体と心得て、始めて夫婦の人倫を全うするを得べし。