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かていしゅうかんのおしえをろんず
福沢諭吉家族論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉家族論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:家庭習慣の教えを論ず、日本男子論、教育の事。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 页
教育の事
一人の教育と一国の教育とは自ずから区別なかるべからず。一人の教育とは、親たる者が我が子を教うることなり。一国の教育とは、有志有力にして世の中の事を心配する人物が、世間一般の有様を察して教育の大意方向を定め、以て普く後進の少年を導くことなり。
父母の職分は、子を生んでこれに衣食を与うるのみにては、未だその半ばをも尽したるものにあらず。これを生み、これを養い、これを教えて一人前の男女となし、二代目の世において世間有用の人物たるべき用意をなし、老少交代してこそ、始めて人の父母たるの名義に恥ずることなきを得べきなり。
故に子を教うるがためには労を憚るべからず、財を愛しむべからず。よくその子の性質を察して、これを教えこれを導き、人力の及ぶ所だけは心身の発生を助けて、その天稟に備えたる働きの頂上に達せしめざるべからず。概していえば父母の子を教育するの目的は、その子をして天下第一流の人物、第一流の学者たらしめんとするにあるべきなり。
ある人云く、父母の至情、誰かその子の上達を好まざる者あらんや、その人物たらんを欲し、その学者たらんを願い、終に事実において然らざるは、父母のこれを欲せざるにあらず、他に千種万状の事情ありて、これに妨げらるればなり、故に子を教育するの一事については、只管父母の無情を咎むべからずと。