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かていしゅうかんのおしえをろんず
福沢諭吉家族論集
福沢 諭吉
福沢諭吉『福沢諭吉家族論集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:家庭習慣の教えを論ず、日本男子論、教育の事。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 33,942 字 · 66 页
あるいは婦人は今のままにして、男子の地位をして一層の下に就かしむれば、女権特に高しというべし。これ即ち我輩が独り男子を目的にして論鋒を差向けたる所以なり。
然るにここに支那学の古流に従って、女子のために特に定めたる教義あり。その義は諸書に記して多き中について、我が国普通の書を『女大学』と称し、女教の大要を陳べたるものなるが、書中往々不都合にして解すべからざるものなきにあらず。例えば女子の天性を男子よりも劣るものと認め、女は陰性なり、陰は暗しなど、漠然たる精神論を根本にして説を立つるが如きは、妄漫無稽と称すべきなれども、その他は大抵皆女子を戒めたる言の濃厚なるものに過ぎず。我輩がかつて戯れに古人の教えを評し、町家の売物に懸直あるが如しといいしもこの辺の意味にして、『女大学』の濃厚苛刻なる文面を正面より受取り、その極端を行わんとするは、とても実際に叶わざることなれども、さりとて教えの言として見れば道理に差支あるべからず、ただ独り女子のみを責むることなく、男子をもこの教えの範囲内に入れて慎む所あらしむれば、その主義甚だ美なるもの多し。
例えばその文の大意に嫉妬の心あるべからずというも、片落に婦人のみを責むればこそ不都合なれども、男女双方の心得としては争うべからざるの格言なるべし。