轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ねぎさまみやた

禰宜様宮田

宮本 百合子

「中央公論」1917(大正6)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,662 字 · 68 页

青空文庫

尊い愛くるしい響をもって、記憶のうちに蘇返るのである。

どことなく丸味のついて来た体を、前や後にゆすぶりながら、僅かなことにも大笑いする娘達がいなくなってから家中は、何という活気に乏しくなったことか……。

土間の隅や、納屋に転がっている赤勝ちの古下駄や、何かの折に出る古着などを見ると、禰宜様宮田は、字を知らないので手紙をよこせない娘達に、どうぞ仕合せが廻って来ますように祈らずにはいられなかったのである。

禰宜様宮田は、いつもの通り地面を掘っていた。

五間幅の道路は、三四町まっすぐに延びて、一つ大きくカーブしたところから、ダラダラ坂になって、ズーッと下の温泉の中央まで導かれるはずなのである。

もうそろそろ昼頃かと思う時刻になると、彼の仲間として一かたまりになっている七八人の者の中の一人が、

「とっさん頼むぞ、

飯の茶あ沸かしてくんな」

と、云って後の方に鍬を振っている禰宜様宮田を振り返った。

「ふんとに、はあ昼だんべ、

とっさんよ!」

禰宜様宮田は、穢ない小屋掛けへ戻って行った。そして大きなバケツを下げて、足袋の中でかじかむ足を引きずりながら小一町ある小川まで水を汲みに行く。