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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,662 字 · 68 页
若いときから、彼女が働く原動力になっていた意地も何も、皆どこへか行ってしまって、あんなに祈願をこめても利益を授からない神様にもほとほと愛想をつかしている今、彼女はただ毎日をどうやら生きてさえいればいいだけである。
いろいろな口実を設けて、家屋まで奪われた彼女は、ようよう元納屋にしていたところを住居にして、朝は目が覚めたときに起き食事をすますと荷をかついで出たまま、気が向くまで帰って来ないのが、このごろの習慣になっていたのである。
九つになった六は、母親があってもなくてもまるで同じような生活をしていた。
目を覚したときには、お石はもう大抵留守になっているし、遊び疲れた彼が炉傍でうたたねしてしまう頃までに彼女は帰って来ない方が多い。
学校へも行かず叱りても持たない彼は、彼の年の持つあらゆる美点と欠点のごちゃごちゃに入り混った暮しをして、或るときは大変いい子であり或るときは大変悪い子である六は、貧しい部落中でも貧しい者の子、躾けのない子と目されているので、彼の友達になってくれるものはない。
たまにあったとしても、学校で教わって来た字を書いては、
「六ちゃん、おめえこの字知ってる?」