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かみのゆくえ
紙の行方
中谷 宇吉郎
「図書」1952(昭和27)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,264 字 · 3 页
前の話で、家をもったら、紙の始末をどうするか、少し気になるという話を書いたが、その始末法はきわめて簡単にわかった。半分は棄て、半分は燃してしまうのである。
前にいったように、新聞紙と、買物の時にくれる紙袋とが、心配していたとおりに、みるみるうちに溜って来る。しかし何も取越苦労をする必要はないので、こういう紙類などはどんどんさばけて行く。
第一に、台所で出て来る残肴類であるが、それ等の始末に、紙が大いに必要である。裏庭に大きいブリキ罐があって、その中に残肴を棄てておくと、いつの間にか持って行ってくれるのであるが、それ等は一かたまりごとに、新聞紙で何重にも包み、汁が浸み出さないようにして、紙袋に入れ、きちっとした包みにしておく必要がある。日本だったら、東京から北海道へ送る小包くらいの恰好にして、それをこのブリキ罐の中に棄てるのである。
それほどにしなくてもよさそうなものであるが、アメリカの人夫諸君は、人権意識にめざめているので、汁がしみ出しているような汚いものを、運搬させるわけには行かないのである。これで約半分の紙は、うやむやのうちに始末されるわけである。