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びじんたかじょう
美人鷹匠
大倉 燁子
「婦人倶楽部 一八巻九号」1937(昭和12年)7月増刊号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,870 字 · 26 页
花には何の罪もございません、どうぞ、彼女を救ってやって下さいませ、これが私の最後のお願いでございます」
松波博士が美人鷹匠に面会した時、最初に発した一言は、
「何故、お前は達也を殺したと偽りの自白をしたのか?」という質問であった。
花は顔も上げないで泣きながら答えた。
「せめて、そうでもしなくっては奥様に申訳なかったからでございます。――考えますと私位悪い女はありません、つくづく愛想がつきてしまいました。自分の都合のよい事しか考えない、松吉を取りかえたのも自分の子供に幸福を与えたいばかりで、人様の御迷惑も考えず、恐しい罪を平気で犯してしまったのです。そしてこの度はまたそれを種に脅迫し散々奥様をお苦しめしました。それだのに、私をお恨みにもならず、お咎めにもならず――、ほんとに何という優しいお心の方でしょう。達也様がお亡くなりになったと承わった時、ああ悪いことをした、と、始めて眼がさめました。そして心から掌を合せて奥様を拝みました。私には奥様のお心がはっきりと映ったのでございます。ここまで追い詰めたのは私ですもの、原因はみんな私からで、手を下さないばかりで私が殺したも同然です。