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しば、あざぶ
芝、麻布
小山内 薫
「東京日日新聞」1927(昭和2)年10月25日~30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,170 字 · 15 页
芝浦
つい十年も前のことだか、まだその時分は、東京にもこんなことがあったのである。
芝浦
高輪で思い出したが、芝浦というところにも、私は忘れられない追憶を持っている。
もう二十年以上も前のことだが、その時分の芝浦は粋なところで、本場所の芸者や客の隠れ遊びをするような場所になっていた。
そこの料理屋兼旅館に芝浜館という家があった。私が忘れられない追憶といったのは、そこで第二次「新思潮」の編輯会議をしたことである。
第二次「新思潮」の同人は、谷崎潤一郎、和辻哲郎、後藤末雄、大貫晶川、木村荘太などであった。別に、客員として、今では精神病の大家になった杉田直樹などがいた。
木村荘太の家兄が芝浜館の経営をしていた。そこで、荘太の斡旋で、そこの座敷の一つを時々編輯会議に借りることが出来たのである。私は単に後見役だったが、直ぐ前に海の干潟の見える広い座敷で、ごろ/\しながら編輯に口を出したことが、二度や三度は確かにあった。
亡くなった大貫と木村荘太とか藤村党で、よく藤村氏を代地の家に訪ねた。後藤は荷風党で、永井君の小説を真似た。和辻は日本の「アンナ・カレニナ」を計画した。