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わかきせだいへのれんあいろん
若き世代への恋愛論
宮本 百合子
「昼夜随筆」白揚社、1937(昭和12)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,340 字 · 28 页
婦人の進歩性というのは、当時の社会の指導力が進んでゆこうとしていた方向を理解し、それをたすけ、ついて来るだけの能力を女も持たなければ不便であるというところに限界をおかれた。恋愛や結婚についても、それに準じて、親の利害に反対しない範囲で、ひとに選んで貰った対手と、婚約時代には交際もするという程度のところが穏当とされたのであった。
藤村や晶子が盛にロマンティックな詩で愛の美しさ、愛し合う男女の結合の美しさ、価値をうたった時代、現実の社会生活の中では決してそのような誰にものぞましい結合がざらにあった訳ではなかった。進歩的な若い文学者など(例えば透谷・藤村・独歩・啄木その他)が、新しい生活への翹望とその実現の一端として、自分たちの恋愛を主張し、封建的な男女の色恋の観念を破って、人間的な立場と文化の新生面の展開の立場で、男女の人格的結合からの恋愛と結婚とをいったのであった。
ヨーロッパで、自然主義の持った役割は非常に大きく、過去のヨーロッパ文化がその宗教的な伝統、騎士道の遺風、植民地政策の結果から生じた女性尊重と精神的愛の誇張から生まれている男女の性生活の偽善を打ち破る力があった。