轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あらほうし
荒法師
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1944(昭和19)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,734 字 · 36 页
手段だったのである。
夜になってから小坊主のひとりが握飯を持って来た、そして自分の手で持ち添えて喰べさせようとしたが、俊恵は眼を閉じたまま石のように動かなかった、「喰べないんですか、喰べないとおなかが減りますよ……」小坊主は気のどくそうになんども念を押したが、うんともすんとも返辞がないので、やがて握飯を竹の皮のまま口の届きそうな所へ置いてそっと出ていった。明くる朝、おなじ小坊主がまた結飯を運んで来たとき、前夜のものが手もつけずにあるのを見た、それからは幾たび来てみてもおなじだった、飯粒を口にしないばかりでなく水も飲まない、「……俊恵さま大丈夫ですか」小坊主は心配そうに覗きこんだ、「少しでも喰べるほうがいいのになあ、それでないと死んじまいますよ……」俊恵はやはり答えなかった、小坊主はいかにも思案に余ったというようすで溜息をついた、それから首を傾げながら、「和尚さまが縛ったりしたんで、よっぽど肚を立てたんだな」と低いこえで呟き、悲しげに経蔵を出ていった。……こうして飲まず喰べず、眠りもしない日が経っていった、五日までは記憶にあるが、それからどれほどの時が過ぎたか覚えていない、けれどもそのうちに外でなにか変った