轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

「小説新潮」1959(昭和34)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,877 字 · 57 页

青空文庫

参吉はうるさそうな顔をするだけで、なにも云わないし、もちろん自分でやろうとすることもない。繁次と将棋をさしながら、平気でその茶を啜り、菓子を喰べた。

参吉は十月の末に仏具屋へ奉公にいったが、そのちょっとまえの或る夜、繁次は怒って参吉を殴った。いつものように将棋をさしていて、繁次が二番負け、三度めに勝った。そして四番めの駒を並べるとき、参吉が「こんどはかげんなしにやるぜ」と云った。これが繁次にかちんときた。

「じゃあ」と繁次が訊き返した、「これまではかげんしてたのか」

「いいからやんなよ」と参吉がおうように云った、「待ったなしだぜ」

繁次はみじめに負けた。参吉のさしかたは辛辣で、それまでとは人が違うようにするどく、繁次は手も足も出なかった。

「ちぇっ」と参吉は駒を投げだしながら云った、「おめえはだめだな」

「だめだって」繁次はふるえた、「なにがだめなんだ」

「繁ちゃん」と参吉が云った。

「だめとはなんだ」と繁次はどなった、「なまいきなことを云うな」

そして彼は参吉にとびかかり、押し倒して拳骨で殴った。参吉は手向いもせず、されるままになっていた。繁次は相手が無抵抗なので、ちょっと気ぬけがし、同時に、相手の眉のところが切れて、血がふき出しているのを認め、ぎょっとしてとびのいた。