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ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様
宇野 浩二
「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页
とクシベシは呶鳴りました。「たった六俵ばかりで、これじゃ俺の一生どころか、三月にも足りないじゃないか? それに着物はどうしたんだい? この俺をごまかそうたって駄目だよ」
「これこれ」とコロボックンクルの声が神々しい響で答えますには、「これこれクシベシ、私等は人間と違って、ごまかすようなことはしない。それだけでお前の一生に足りるのじゃ。着物か? 着物はもうちゃんとお前の体に着せてある筈じゃ。それも、それ一枚だけで足りる筈じゃ。……さよなら」と言って、どこともなく行ってしまいました。
見ると、なる程、いつの間にかクシベシは今迄のような襤褸のではない、新しい着物を着ていましたが、クシベシは、「こんなもので、これだけで足りるものか?」とぶつぶつ独言を言いながら、「あのコロボックンクルの奴、ごまかすようなことはしないなんて大きな口をきいておきながら、こんなものでこれっぱかりで……」と長い間腹を立てていました。が、根が怠け者のことですから、だが、まあこれで当分の間、食べ物の心配なしに暮して行ける、何にもくれなかったよりは増だ、こう思って、あきらめるともなしにあきらめるうちに、いつか又ごろりと横になって寝てしまいました。