轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんきろう

蜃気楼

芥川 竜之介

秋日午后,我和朋友专程跑去看海市蜃楼,路上碰到个穿红衬衫的男人,聊起天来却有点莫名的压抑。那虚幻的景色到底看到了吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,624 字 · 10 页

青空文庫

一

一

或秋の午頃、僕は東京から遊びに来た大学生のK君と一しょに蜃気楼を見に出かけて行った。鵠沼の海岸に蜃気楼の見えることは誰でももう知っているであろう。現に僕の家の女中などは逆まに舟の映ったのを見、「この間の新聞に出ていた写真とそっくりですよ。」などと感心していた。

僕等は東家の横を曲り、次手にO君も誘うことにした。不相変赤シャツを着たO君は午飯の支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端にせっせとポンプを動かしていた。僕は秦皮樹のステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。

「そっちから上って下さい。――やあ、君も来ていたのか?」

O君は僕がK君と一しょに遊びに来たものと思ったらしかった。

「僕等は蜃気楼を見に出て来たんだよ。君も一しょに行かないか?」

「蜃気楼か? ――」

O君は急に笑い出した。

「どうもこの頃は蜃気楼ばやりだな。」

五分ばかりたった後、僕等はもうO君と一しょに砂の深い路を歩いて行った。路の左は砂原だった。そこに牛車の轍が二すじ、黒ぐろと斜めに通っていた。僕はこの深い轍に何か圧迫に近いものを感じた。逞しい天才の仕事の痕、――そんな気も迫って来ないのではなかった。