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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
それを在るがまま受けいれて、彼の毅然たる魂は損われたことがないようだ。青年の後姿から光がさすようなのを長平は感じた。
階段を上がると、女が一人、たたずんでいた。放二はそれを認めると、微笑して、
「ア。カズちゃん。ぼくの部屋に、ヤエちゃんのお客がいるの?」
「いいえ。とっくに、帰させました。兄さん。すみません」
女は泣いているようだった。
六
部屋には二人の娘がいた。眼を泣きはらしている方がヤエ子である。壁にもたれて本を読んでいるのがルミ子。三人の男をピストルで死なせたのが、この子であった。
一同が部屋へはいると、ヤエ子は顔をそむけた。ルミ子は一同をチラと一ベツしただけで、本を読みつゞけた。
二人よりも、年長らしいカズ子は、荒々しい声で、
「ヤエちゃん。なんとか、おッしゃいよ。私たちがそんな女だと思われていいの」
ヤエ子はそむけた顔をうごかさなかった。
「いいんだよ。すんじゃったことだから」
と、放二がなだめると、カズ子は一そう不キゲンになった。
「私がヤエちゃんに代って兄さんにあやまってあげなければならないと思っていたのに、私がヤエちゃんを叱って、兄さんになだめられる始末じゃないの。