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しんらんしょうにんについて
親鸞聖人について
吉川 英治
「毎日新聞」1962(昭和37)年10月1日号から9回に分けて連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,038 字 · 29 页
二千円でやるつもりだったんです。あれを消してくれと頼んだ。やったんですね。二度ほど、やりかけたんですが失敗したんです。そしてピストルか何かをもっていることがわかって、足がついて事件があかるみに出て新聞に出た。
それは殺し屋事件としてたいへん大きなトップ記事として、それだけなんですが、私が最も目を見張ったのは、殺し屋にその彼女がやったお金は、彼女が愛していた彼氏が、彼女のために働いてためといた金だということなんです。ピストルを買ったのは、事が露見したら自分が自殺するために買ったのだという。不思議な心理です。こんな事件も、このごろでは珍しくないんですよ。そしてその女の人は、つかまった時『私はこんなに愛してたんだ、こんなに愛してたんだ』と号泣したそうです。それを新聞記事では嘲弄して笑って書いていましたが、私はなんだかかわいそうみたいな、あわれだなあという気がした。男が、自分のためにたくわえておいた金で、ピストルを買い、殺し屋に三十万円やって、男を殺そうとした。この心理、この心理はやっぱり彼女は、彼女の知性の程度で愛していたんだと思います。彼女は、愛してたんだといったそうですが、それは本当なんです。