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かいせつ しゅみをつうじてのせんせい
解説 趣味を通じての先生
額田 六福
「舞台 岡本綺堂追悼号」1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,362 字 · 11 页
方々から贈物があって、時には相当高価らしい盆梅もあるので、慾ばり屋の私は、
「もう少し手入をなすったら。」
とよく云ったものだ。と、先生は、
「だって君、我々が枯らして仕舞うから植木屋が立ってゆくんだぜ。」
先生はそう云う人だった。由来、盆梅の仕立ての事は云わない事にした。
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ゴツゴツした松の木肌の感触を嫌われた先生は、自然の反対現象として、柳、楓、百日紅なぞの肌のなめらかな木が好きであった。目黒の遺邸の庭には、空を覆う百日紅がある。そしてあの花の色も好きだった様である。青山の墓所には、出来ればこの木を植えさせて貰いたいと思う。
同じ意味で、猫柳もすきだった。随筆集の題名にもなっている。これは、後に説く俳諧趣味から出発していると思う。
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草花は早春のクロッカス、ヒヤシンス等から、秋の終りまで、どこの家にもある様な和洋の花が植えられて、交る交るに咲いていたが、その中で一番巾をきかしていたのは、千日紅、葉鶏頭等の、純粋な、そして野生に近い日本草花だった。花はないが、薄も好きで、例の百日紅の下に傲然とはびこっている。真夏には糸瓜棚が出来て、その下で、実が長くなるのをよろこんでいられた。