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はなしのたね

話の種

寺田 寅彦

「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页

青空文庫

最も軽いそして他元素と化合し難いものである。近年ラジウムの研究が進むにつれ、ヘリウムはラジウムより変化して出来るものだという事が知れ、元素というものは変化せぬ物だという従来の考えを打破ったので科学者の注目をひいている。

(明治四十一年四月九日『東京朝日新聞』)

七十五

唖に言語を教うる法

電話や蓄音機の発明に依って有名なグラハム・ベル氏はまた唖者に言語の発音を教うる法に関する著者として知られている。近頃その著書の再版が出た。この法はもと著者の父メルザル・ベル氏の考案したものである。一種の記号で文字の代用をさせ、またその記号の形によってその音を発するには舌や口腔を如何なる位置形状にすべきかという事を明らかに示したものである。この方法によって言語を発するようになった唖者は沢山あるそうな。

(明治四十一年五月一日『東京朝日新聞』)

七十六

空中の巡査

近刊の某地学雑誌に上のような表題を掲げて鳥類の保護を論じている人がある。その人の説によれば、鳥類が農作物の害虫を駆除する功は非常なもので、もし鳥類濫殺の結果有益な鳥が絶滅に近づく暁には、地上の植物は大半滅亡するに至るであろうというている。