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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

艇長さんの青木学士は、こんどは舵をうごかす舵輪にとりついて、かおを赤くしています。

「よし、このくらいで、ここをさよならしよう」

「青木さん、これからどっちの方へいくのですか」

「これから、ずっと沖の方へ出てみよう。その方が安全だし、ちょうど試運転にもいいからねえ」

「じゃあ、このまま外洋に出るのですね。ゆかいだなあ。青木さん、艇には、いる品ものはみんなそろっているのですか」

春夫は、しんぱいになって、たずねました。

「うん、ちょっと入れのこした品ものがあるんだ。しかし今さら、とりにかえるのも、めんどうなのでね」

「その足りない品ものというのは、一たいなんですか。たべものとか、水とかが足りないのではないのですか」

「あははは。君はくいしんぼうなんだね。だから、たべものだの、水だののことを、しんぱいするんだね。安心したまえ。その方はじゅうぶんとはいかないが、せつやくすれば、二人で三十日ぐらいくらしていけるだけはある」

「へえ、そんなにあるのですか」

春夫は、三十日分もあるときいて、目をまるくし、つばをのみこみました。

「それで、なにが足りないのですか、青木さん」

「その足りない品ものというのはね、当局からもらった機関銃だよ」