轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

08 氷の下の芽

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,146 字 · 40 页

青空文庫

ことに男がいけない、あたしは気をつけて見て来たが、男は三十ちょっと過ぎるとぐれだしてしまう。酒か女か博奕、きまったように道楽を始めて、女房子をかえりみなくなる。裕福なうちのことは知らないし、貧乏人でも全部がそうとは云わないが、十人のうち八人か九人は必ずそんなふうになる。

「男なんてものは、いつか毀れちまう車のようなもんです」とおえいは云った、「毀れちゃってから荷物を背負うくらいなら、初めっから自分で背負うほうがましです」

だから自分は亭主は持たない、母と子と二人、下女奉公をしたって子供の一人くらいは育てられるし、母親一人なら子供に苦労をさせずに済む。あたしはこの子を産んで、りっぱに育ててみるつもりだ、とおえいは云った。

「すると」登が訊いた、「おまえの母親が子をおろそうと云うのは、まだおまえをくいものにしようというつもりなのか」

「そうです」おえいは頷いて、口のまわりを拭いた、「お父っさんが三年まえにいなくなってから、やけ酒を飲みだして、妹のはなは芸妓屋へ売るし、九つのすえまで売ろうとしているんです」

「それでは、おまえのばかもにせものだと見ぬかれてしまったのか」