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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
されたものであって、自然科学一般の発達の歴史は、実は社会に於ける生産技術の要求に従って、技術学的な目的に沿って、それから又技術学的な与件に立脚して、初めて展開して来たことを示している。ただその要求なり目的なり与件なりが、自然科学の研究や発見や創意にまで機械的に露骨には反映しないから、自然科学者自身さえが之を主観的には自覚し得ない場合の方が多い、というまでなのである。だから自然科学は技術学へ単に偶然に付けたしのように応用されるのではなくて、初めから応用されるべき約束の下に応用されるに他ならない。
生物学と雖も之と少しも異るものではない。生物学の発達は主として農業技術学上の必要と目的との下に、農業技術学の発展段階を与件として、初めて行われる。ダーウィン主義乃至進化論も、それがダーウィンによって実証的な根拠に立った科学的理論となるためには、この農業技術学上の発達に依存しなければならなかった。
自然科学は一般に産業技術学を離れて理解されることを許さない。云うまでもなく両者のこの関係は決して簡単でなく又単純ではないのだが、この関係への注目を一貫することによって初めて、自然科学の生命が、その本質と運動とが、実質的に理解出来る。