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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

自然科学の発達が、個々の天才人の天才的能力や、又は人間一般の理性や悟性やそう云った精神の発現に負う処は大きいに相違ないが、そういう精神力の発現自身が、なぜそういう内容となって又そういう時に、行われねばならなかったかが、技術学上の根拠に立つのである。そしてここにこそ自然科学の具体的内容があるのである。もしそうでなくて、単に精神的な表現だと云うならば、自然科学はなぜ自然科学となって芸術や何かにならなかったかが説明出来ないだろう。社会主義も日本主義も同じく頭脳の産物には相違なかろう。だが頭脳の所産だということは何等社会主義の説明にもならず日本主義の説明にもならぬ。社会主義が日本主義と異る所以、即ち社会主義が一つの思想である所以は、それが頭脳の所産であることにあるのではなくて、正に社会人の生活の物質的根拠に照応している処にあるのである。

処で技術学は云うまでもなく社会に於ける生産技術自身の内容に直接関係した理論乃至科学である。そして社会に於けるこの生産技術を、社会の生産力と生産関係との連関に於て、又社会に於ける観念的上層物との連関に於て、取り上げるものが他ならぬ社会科学であった。