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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

実際スコラ哲学は主としてカトリック教理の組織立てとそれの解釈を中心課題としていたから、この哲学乃至神学に必要なオルガノンは、アリストテレスの名に於ける分析的演繹論理で充分だったのである。――所謂形式論理はそれ故実はアリストテレス自身のものではなくて、スコラ論理から始まると見るべきである。アリストテレス自身は存在を運動に於て捉えようとする根本的な試みに於て、(彼自身の用語に反するが)弁証法家の一人であったと見ることが出来る。そのオルガノンも存在に対するこの弁証法的な見解から離れては無意味だったわけである。

形式論理学の一般的な特色は、後にヘーゲルが、それから之に従ってマルクスとエンゲルスとが明らかにしたように、事物をその固定性に於て把握することに存する。従って形式論理は、諸事物間のひたすらの区別と対立とを、無条件に絶対的に墨守する建前を持っているのであって、同一律(AはAである)、矛盾律(Aは非Aに非ず)、排中律(AはBか又は非Bであってその他のものではあり得ない)、がこの立場を最も端的に表わす論理法則となる。事物をこの論理によって認識しようとすれば、勢い、単に諸事物の精細煩瑣な区別と機械的な関係づけしか、その内容となることが出来ない。