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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
という主著の名称がよく説明している)は、広く当時のイギリス、フランス、ドイツ其他の啓蒙学者を、動かしたものである。多数の啓蒙学者はニュートンに就いての考察を書いた。カントも亦その一人に数えられる。だが恐らくカントは誰にも増して最も深くニュートンに動かされた十八世紀の哲学者であろう。と云うのは、ニュートンの数学的方法による自然研究は、それが数学によって支配される限り、疑うべからざる必然的で普遍的な認識(認識をカントは経験という言葉を辿って理解している)を与えるものであるが、この経験の必然性と普遍性との説と、例の経験論乃至それに由来するヒューム的懐疑論とが、如何に折り合うことが出来るかが、カントの何よりの関心を集中した問題である。
従来の論理学の常識によれば、先天的な判断を下し得るものは分析的(演繹的)判断だけで、総合的な判断は凡て経験的な通用性しか持たない。処がニュートンの数学的方法による自然科学の根柢には、先天的で総合的な判断が横たわっている。そこで、こうした判断を理解し得るような新しい論理学が必要でなくてはならぬ。之をカントは先験的論理学と名づけた。