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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

は、証拠立ての術がないことに就いて天下りの主張をなすという意味に於て、神秘的命題だと考えられるからである。この立場から云えば客観的存在にして弁証法的であり得るものは、歴史的社会だけだということになる(コルシュ―K. Korsch やルカーチ―G. Luk※(アキュートアクセント付きA小文字)cs 等が之を代表する)。又自然が弁証法的であることを認めるも、自然そのものが主観的契機や意識としての或る意味を有つと考え、従って所謂自然そのものには弁証法を拒否する者もある(田辺元、西田幾多郎の諸氏)。――併し之に対する反駁は唯物論そのものの主張から行われるべきで、必ずしも自然弁証法の問題に限った論点ではない。

広く自然弁証法を理解すれば、この観念の歴史はギリシア自然哲学に遡る(ヘラクレイトス、アリストテレス)。だが特に問題となるべきものは十八世紀以降に属する。一方に於てビッフォン(Georges Louis Leclerc de Buffon)やサンチレール(Saint-Hilaire)の生物乃至自然の進化の思想(之は実証的検証を経た主張というよりも寧ろ単なる思想に過ぎなかったが)、他方に於てカント(I. Kant)の天体発達史乃至宇宙発達史の観念が、自然弁証法の先駆となる。