轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
のわき
野分
一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页
いいからいらっしゃいよ。構わないでも、いいからいらっしゃいよ」と女は高柳君を後目にかけたなり塩瀬を引っ張って行く。
高柳君はぽつぽつ歩き出した。若夫婦は遥かあなたに遮られていっしょにはなれぬ。芝生の真中に長い天幕を張る。中を覗いて見たら、暗い所に大きな菊の鉢がならべてある。今頃こんな菊がまだあるかと思う。白い長い花弁が中心から四方へ数百片延び尽して、延び尽した端からまた随意に反り返りつつ、あらん限りの狂態を演じているのがある。背筋の通った黄な片が中へ中へと抱き合って、真中に大切なものを守護するごとく、こんもりと丸くなったのもある。松の鉢も見える。玻璃盤に堆かく林檎を盛ったのが、白い卓布の上に鮮やかに映る。林檎の頬が、暗きうちにも光っている。蜜柑を盛った大皿もある。傍でけらけらと笑う声がする。驚ろいて振り向くと、しるくはっとを被った二人の若い男が、二人共相好を崩している。
「妙だよ。実に」と一人が云う。
「珍だね。全く田舎者なんだよ」と一人が云う。
高柳君はじっと二人を見た。一人は胸開の狭い。模様のある胴衣を着て、右手の親指を胴衣のぽっけっとへ突き込んだまま肘を張っている。