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のわき
野分
一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页
半紙に墨黒々と朝妻船とかいて貼り出してあるから、おおかた朝妻船と云うものだろうと高柳君はしばらく後ろの方から小さくなって眺めていた。
舞台を左へ切れると、御影の橋がある。橋の向の築山の傍手には松が沢山ある。松の間から暖簾のようなものがちらちら見える。中で女がききと笑っている。橋を渡りかけた高柳君はまた引き返した。楽隊が一度に満庭の空気を動かして起る。
そろそろと天幕の所まで帰って来る。今度は中を覗くのをやめにした。中は大勢でがやがやしている。入口へ回って見ると人で埋って皿の音がしきりにする。若夫婦はどこにいるか見えぬ。
しばらく様子を窺っていると突然万歳と云う声がした。楽隊の音は消されてしまう。石橋の向うで万歳と云う返事がある。これは迷子の万歳である。高柳君はのそりと疳違をした客のように天幕のうちに這入った。
皿だけ高く差し上げて人と人の間を抜けて来たものがある。
「さあ、御上んなさい。まだあるんだが人が込んでて容易に手が届かない」と云う。高柳君は自分にくれるにしては目の見当が少し違うと思ったら、後ろの方で「ありがとう」と云う涼しい声がした。十七八の桃色縮緬の紋付をきた令嬢が皿をもらったまま立っている。