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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

保護とは貴族的時代に云うべき言葉で、個人平等の世にこれを云々するのは恥辱の極である。退いて保護を受くるより進んで自己に適当なる租税を天下から払わしむべきである」と云ったと思ったら、引き込んだ。聴衆は喝采する。隣りに薩摩絣の羽織を着た書生がいて話している。

「今のが、黒田東陽か」

「うん」

「妙な顔だな。もっと話せる顔かと思った」

「保護を受けたら、もう少し顔らしくなるだろう」

高柳君は二人を見た。二人も高柳君を見た。

「おい」

「何だ」

「いやに睨めるじゃねえか」

「おっかねえ」

「こんだ誰の番だ。――見ろ見ろ出て来た」

「いやに、ひょろ長いな。この風にどうして出て来たろう」

ひょろながい道也先生は綿服のまま壇上にあらわれた。かれはこの風の中を金釘のごとく直立して来たのである。から風に吹き曝されたる彼は、からからの古瓢箪のごとくに見える。聴衆は一度に手をたたく。手をたたくのは必ずしも喝采の意と解すべからざる場合がある。独り高柳君のみは粛然として襟を正した。

「自己は過去と未来の連鎖である」

道也先生の冒頭は突如として来た。聴衆はちょっと不意撃を食った。こんな演説の始め方はない。