轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

「や、君の顔は妙だ。日の射している右側の方は大変血色がいいが、影になってる方は非常に色沢が悪い。奇妙だな。鼻を境に矛盾が睨めこをしている。悲劇と喜劇の仮面を半々につぎ合せたようだ」と息もつがず、述べ立てた。

この無心の評を聞いた、高柳君は心の秘密を顔の上で読まれたように、はっと思うと、右の手で額の方から顋のあたりまで、ぐるりと撫で廻わした。こうして顔の上の矛盾をかき混ぜるつもりなのかも知れない。

「いくら天気がよくっても、散歩なんかする暇はない。今日は新橋の先まで遺失品を探がしに行ってその帰りがけにちょっとついでだから、ここで休んで行こうと思って来たのさ」と顔を攪き廻した手を顎の下へかって依然として浮かぬ様子をする。悲劇の面と喜劇の面をまぜ返えしたから通例の顔になるはずであるのに、妙に濁ったものが出来上ってしまった。

「遺失品て、何を落したんだい」

「昨日電車の中で草稿を失って――」

「草稿? そりゃ大変だ。僕は書き上げた原稿が雑誌へ出るまでは心配でたまらない。実際草稿なんてものは、吾々に取って、命より大切なものだからね」

「なに、そんな大切な草稿でも書ける暇があるようだといいんだけれども――駄目だ」